日本は「治安が悪くなった」のか?数字で見る犯罪のリアルな姿

日常

最近、テレビやSNSで「また凶悪な事件が起きた」「特殊詐欺の被害が増えている」なんていうニュースをよく見かけません? 「なんだか日本って、昔に比べて危なくなったな…」と感じている人も多いのではないでしょうか。

でも、ちょっと待ってください。本当にそうなのでしょうか?

今回は、警察が発表しているデータをもとに、日本の犯罪のリアルな姿を、誰にでもわかるように見ていきましょう。

結論から言うと、答えは「はい、でもいいえ」です

なんだか回りくどい言い方ですよね。でも、これが一番正しい答えなんです。

なぜなら、犯罪の「件数」だけ見れば、実は日本は昔よりずっと安全になったからです。

例えば、皆さんが子供だった頃を思い出してみてください。2002年頃、日本で起きた刑法犯の認知件数はなんと285万3,739件もありました。ひったくりや空き巣など、身近な犯罪も多かったんです。

それが、2021年には56万8,206件までグッと減ったんです。これは、防犯カメラが街中に増えたり、家のカギが二重ロック等でセキュリティが強化されたおかげなんです。

「なんだ、じゃあ大丈夫じゃないか!」と思いますよね。でも、違うんです。

話はここで終わりません。

犯罪の「中身」が変わってきたんです

実は、減ったのは主に「万引き」や「空き巣」といった、私たちの生活に身近な昔ながらの犯罪なんです。

📉 減少している犯罪とその理由

  • 窃盗犯: 2002年に約239万件あった窃盗犯は、2023年には約44万件まで減りました。これは、刑法犯全体の約7割を占める大きな減少です。
    • 乗り物盗: 自転車やオートバイの盗難が激減しました。これは、鍵の性能向上や盗難防止装置の普及が大きく貢献しています。
    • 住宅への侵入盗: 空き巣や忍び込みも大きく減りました。これは、防犯カメラの普及、ホームセキュリティシステムの導入、そして人々の防犯意識が高まったことが理由です。

📈 増加している犯罪とその理由

一方で、近年増えているのが、私たちの不安を煽るような犯罪です。

  • 凶悪な犯罪: 2023年には、殺人や強盗といった凶悪犯の認知件数が約1万2,000件と、前年比で約20%増加しました。
    • : 「闇バイト」としてSNSで集められた若者が、指示役の命令で強盗に及ぶような事件が増えています。これは、経済的な困窮や、SNSを通じて安易に犯罪に手を出す人が増えている現状を反映していると考えられます。
  • 詐欺: 2023年の詐欺の認知件数は約4万8,000件でした。
    • 特殊詐欺: 特に「オレオレ詐欺」「還付金詐欺」といった特殊詐欺は、高齢者が狙われることが多かったですが、最近ではSNSを利用した投資詐欺ロマンス詐欺が増加し、若い世代も被害に遭っています。

増加する外国人による犯罪の背景:政策の影響

近年、移民や就労者が増えるにつれ、外国人による犯罪の件数も増加傾向にあります。

  • 検挙件数の推移: 2023年の外国人による刑法犯の検挙件数は1万5,541件で、前年より20%増加しました。
  • 国籍別の内訳: 2023年の外国人による刑法犯の検挙件数を国籍別に見ると、ベトナムと中国が全体の約6割を占めています。

なぜ外国人による犯罪が増加しているのか?

外国人犯罪の増加は、単に人数が増えたからというだけではありません。その背景には、日本の政策が深く関わっています。

  • 労働力不足への対応としての外国人受け入れ: 少子高齢化による深刻な労働力不足を補うため、日本政府は外国人技能実習制度特定技能制度を通じて、外国人労働者の受け入れを積極的に推進してきました。
  • 制度の課題: しかし、これらの制度にはいくつかの問題が指摘されています。
    • 多額な借金: 多くの外国人技能実習生は、来日するために自国のブローカーに高額な仲介手数料を払っている場合があります。日本での収入だけでは借金を返済できず、生活苦から犯罪に手を染めてしまうケースが見受けられます。このように自国から苦しめられている方も多いのです。
    • 過酷な労働環境: 賃金が低い、長時間労働、そして言葉や文化の壁から相談相手がおらず、絶望的な状況に追い込まれることがあります。中には、劣悪な労働環境から逃れるために失踪し、不法就労や窃盗といった犯罪に手を染めてしまう人もいます。
    • SNSを悪用した犯罪: SNSを通じて「闇バイト」の募集に応募するなど、日本に住む外国人が組織的な犯罪に巻き込まれるケースも増えています。

犯罪の被害金額が、信じられないほど増えている

「犯罪件数は減った」と言っても、皆さんが「怖い」と感じる理由は、実は被害金額の急増にあります。犯罪の種類が変わったことで、一件あたりの被害額が跳ね上がっているのです。

日本の刑法犯全体の被害額

  • 2023年の総被害額: 約750億円
  • 2021年の総被害額: 約234億円

このわずか2年間で、被害額が3倍以上に膨れ上がっていることがわかります。

この急増の最大の原因は、特殊詐欺サイバー犯罪です。

特殊詐欺の被害金額が過去最悪に

特殊詐欺の被害額は、一時減少したものの、近年は再び増加しています。

  • 2022年の被害額: 約370億円
  • 2023年の被害額: 約441億円

特に、SNSやオンラインでの投資詐欺は、一人で数千万円から1億円近いお金を騙し取られるケースもあり、被害額の増加に拍車をかけています。

サイバー犯罪の被害も深刻

インターネットバンキングの不正送金被害も急増しています。

  • 2022年の被害額: 約15.5億円
  • 2023年の被害額: 約86.5億円

たった1年で被害額が5倍以上に跳ね上がっています。これは、フィッシング詐欺やウイルスによる犯罪が巧妙化し、多くの人が被害に遭っていることを示しています。

行方不明者数の推移:見つかっていない事件の数

そして忘れてはいけないんです。警察が発表している事件の件数はあくまでも認知している犯罪の件数なんです。要するに警察も認知していない犯罪件数も重要です。

警察庁によると、日本国内で行方不明者として届け出が出される人の数は、近年増加傾向にあります。

  • 行方不明者数の推推移: 2021年には7万9,218人でしたが、2022年には8万4,910人、そして2023年には9万144人と、3年連続で増加しています。

では、この行方不明者の中で、どれくらいの人が発見されずにいるのでしょうか?

  • 発見状況: 2023年に所在確認ができた行方不明者は8万8,470人でした。これは、その年に届け出が出された人だけでなく、それ以前に届け出が出されていた人も含みます。
  • 死亡確認: 同じく2023年に死亡が確認された行方不明者は3,955人でした。
  • 未発見のケース: 残念ながら、届け出が出された行方不明者全員がその年のうちに発見されるわけではありません。警察の統計では「所在確認」された人数と「死亡確認」された人数が示されますが、それ以外の「その他の状況」として分類される人や、年をまたいで発見されない人も存在します。特に、届け出から時間が経つほど発見が困難になる傾向があります。
    • 事件性のある行方不明者: 警察が積極的に捜索を行うのは、殺人や誘拐、事故の可能性など、事件性や緊急性が高いと判断された「特異行方不明者」のケースです。
    • 一般行方不明者: 事件性のない家出や、本人の意思による失踪と判断された「一般行方不明者」は、警察が積極的に捜索を行うことは少なく、情報共有にとどまることがほとんどです。

このように、行方不明者の数は毎年多く、その中には事件に巻き込まれた可能性のある人や、発見されずにいる人も一定数存在します。

その発見されていない人たちは一体何が起きているのでしょうか。

このこともまた、社会の不安感を高める要因の一つと言えるでしょう。

まとめ:だから「なんとなく怖い」と感じるのです

結論として、日本の治安は「全体的な犯罪件数」は減っていますが、「悪質な犯罪」や「一回あたりの被害額が大きい犯罪」が増えているのが現状です。

  • 昔の犯罪(万引きなど)は減ったけど、
  • 今の犯罪(凶悪事件や特殊詐欺、外国人による犯罪)は増えて、より巧妙で、深刻な被害をもたらす。

この変化こそが、私たちが「日本は治安が悪くなったな…」と感じる本当の理由なのです。ただただ不安に思うだけでなく、新しい犯罪の手口をしっかりと知り、自分の身は自分で守ることが、これからの時代にはとても大切です。

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